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土地探しを先行すると失敗する?!

 

こんにちは。

倉敷・岡山で建築家とおしゃれなデザイナーズ注文住宅を建てている建房の小林(史)です。

「マイホームを建てよう!」と考える方の多くは「まずは土地が無いと!」と思ってしまいがち。土地がないと、弊社、建房のような建築メーカーとも話ができないと考えている方もいらっしゃるのですが、私は土地選びに先行させて複数の工務店・ハウスメーカーの話を聞くべきだと考えています。

 

「気に入った土地」を優先させてしまった方のエピソード

 

奥様は専業主婦でお子さんは3人。ご主人のお一人の稼ぎで生計を立てているA様ファミリーがご相談にいらしたときのことです。

A様はすでに土地選びを始められていて、お子さんが通っている小学校からと徒歩3分ほどの土地を気に入ってらっしゃいました。ただその学区内は土地の金額の幅が広く、A様が気に入られていた土地は周辺と比較しても割高な1,200万円の土地。3人のお子さんのうち上2人がすでに小学校に通っているとのことで、学校に近いということが気に入っていたようでした。

ただお子さんが3人いらして、ご主人様の一馬力。資金計画を立てていくと、やはりちょっと土地の価格が高すぎる……「この土地の価格ではお住まいにまで費用を回せないですよ。」私はそうお伝えしました。

A様が次にいらしたのは、3ヶ月後のこと。なんとこのとき、A様はあの1,200万円を土地をご購入済みだったのです。

あの土地がどうしても気に入って購入してしまった……だけど土地代にプラスして、建築費や諸費用がかかってくると計画が成り立たない!なんとかして!とお困りのご様子でした。

すぐに改めて資金計画を立ててみたところ、やはりご収入やお子さんのご年齢などの状況を考えると、どう考えても土地の値段が高すぎる。「うちではご予算内で建てることはできません……いわゆるローコストメーカーでも建てられるご予算を確保できるかどうか……」とお伝えしてお帰りいただいたことがあったのです。

 

銀行員に家の予算を相談した方のエピソード

 

続いて、A様とは別のB様のエピソードです。

B様もまた、土地探しを先行されて気に入った土地を見つけられたと。でも住宅メーカーが決まっていないという中で、友人である銀行員に相談をしたとのことです。

友人の銀行員はB様に「土地と建物で3,500万円くらいあれば足りるはずだ。土地だけ先に住宅ローンを組む方法があるから、先に購入できる。」と助言したらしいのです。

私のところに相談に来られたときにはすでに土地を契約済みで、土地のローン返済も始まっている状況でした。B様のお住まいは当時、賃貸住宅でしたから、家賃と合わせて月11万円ほどを支払っている状況。B様が購入した土地も1,200万円ほどで、岡山の相場観でいうと家を建てて、諸費用を支払って……ということを考えれば、総額3,500万円では到底足りないという状況でした。

結局、B様と銀行サイドで揉めてしまい、住宅ローンを借り換えることになったのですが……私も銀行に呼び出されてちょっとした言い合いになりまして(笑)

銀行の言い分としては「お客様の収入などを考えれば無理の借り入れをさせるわけにはいかない。だから3,500万円が妥当でしょう。」ということだったのですが、B様には性能がいい住宅に住んで光熱費を抑えたい・メンテナス費を抑えたい・こんな家に住みたいという要望や希望があったのです。私からすれば、勝手に土地と建物の予算を3,500万円と進言して土地を買わせてしまうことがお客様思いではない行動だと思ったんですね。

対応していただいたのはその銀行のご友人の上司の方だったのですが、彼は大手ハウスメーカーで家を建てられたと。「では大手ハウスメーカーで家を建てるにあたり、1,200万円で土地を購入して3,500万円で足りると思いますか?」と私が聞いたところ「分相応の家っていうのがあるでしょう」と支店長さんは答えたんですね。「分相応とはどういうことでしょう?普通の会社員は家にこだわるなと言うことですか?」と余計言い合いに発展してしまったのですが……。

結果的に住宅ローンの借り換えができたのでB様は家を建てることができたわけですが、もしかしたら銀行の言葉を借りれば「分相応」の家しか建てられなかった可能性もあるわけです。

 

土地探しの前に色々な建築会社の話を聞く

 

実際にあった2組のお客様のエピソードをお話しましたが、最近はとくに「気に入った土地がある」という状況でご相談にいらっしゃる方が多い傾向にあります。

今はネットで簡単に土地を探せる時代になったということも大きいと思いますが、ネット上で出回る土地・販売し続ける土地というのは売れないなんらかの理由があることも。具体的にいえば、「場所はいいけど価格が高い」「条件が良くない」……といったことですね。

土地がない状態で家を建てるというときには、土地と建物総額がいくらになるのかを把握したうえで、そして資金計画を立てたうえで土地選びをしないと、理想の家が建たない・予算を大きくオーバーしてしまうということになってしまいかねません。

建築会社は、お客様のご予算全体を見ることができます。

たとえば、土地が1,000万円、建物が2,800万円だとしたら、総額3,800万円で収まることはありません。その理由が、諸費用の存在ですね。土地を仲介してくれる不動産会社に支払う仲介手数料、住宅ローンを組む際の手数料、各種税金……などを考えれば4,000万円でも収まるかどうかというところです。

また土地を買って家を建てるということは、不動産仲介会社・銀行・建築会社という3つの異なる機関とやり取りしなければなりません。

・仲介会社「早く土地の契約・決済したい!」

・銀行「住宅ローンの本審査までに建築会社と契約しておいてくださいね!」

仲介会社・銀行にはこのような思惑や都合があるため、土地を購入するとなると、すぐに建築会社を決めなければならなくなってしまうんですね。

ですから私は、冒頭で申し上げた通り土地選びの「前」に工務店やハウスメーカーの話を聞きにいかれるべきだと思うのです。そしてできれば、1社ではなく2社、3社……と複数社と話してみてください。

複数社と話すということは、ご自身のニーズを掘り起こすことにもつながるはずです。家って、やはり「場所」「土地」だけではありませんよね。立地ももちろん大切な要素の一つですが、注文住宅を建てたいという方に「土地さえ良ければいい」と思っている方はいらっしゃらないと思います。

土地を先に決める、あるいは建物だけを先に決めるとなると、結局のところどちらかを妥協せざるを得なくなってしまうことが多いもの。だからこそ、自分のこだわりを知るため、そのこだわりを形にするため、土地探しを先行するのではなくまずは建築会社にご相談いただきたいと思っています。

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