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Ⅱ型・フラット・アイランド……キッチンの「形」は“デメリット”を認識して選ぶべき
こんにちは。
倉敷・岡山で建築家とおしゃれなデザイナーズ注文住宅を建てている建房の小林(史)です。
キッチンの形を選べるのは、注文住宅の醍醐味の1つ。ただ最近はとくにキッチンの「形」のバリエーションが豊富ですので、悩んでしまうところでもあるでしょう。
今回は、今人気の「Ⅱ型キッチン」や「フラットキッチン」「アイランドキッチン」のデメリットに着目してみたいと思います。一見してかっこいいキッチンも、デメリットを持ち合わせいるのです。
建房でもご紹介させていただくことが多い「Ⅱ型」キッチン。シンクとコンロが対面しているタイプのキッチンです。
Instagramなどでも、おしゃれなキッチンといえばⅡ型!……ということで、今、最も人気があります。
おしゃれなだけでなく、Ⅱ型キッチンには次のようなメリットがあります。
やはり2列になると、シンクとコンロが横並びのキッチンと比較して横幅が短くなります。そのため、設計しやすく、床面積が省スペースで済みます。
またユニットが2つになり、キッチンの容量的には多くなりますから、大容量の収納スペースが確保できることもメリットとして挙げられるでしょう。
一方で、Ⅱ型キッチンにはデメリットもあります。実は、次のデメリットをお伝えすると「やっぱり辞めようかな……」という方も少なくありません。
シンクとコンロが対面なので、たとえばシンクで洗ったお野菜をそのままフライパンに……というとき、ザルなどから床に水滴が落ちてしまうんですね。
私なんかは割と雑なほうでして、バットにきれいに並べて運ぶとかが苦手で、揚げ物をするときは衣をつけたらそのまま鍋に入れたいのですが、このときにもパン粉や衣が床に落ちやすいと思います。
ですから、凝ったお料理をされる方ほどⅡ型キッチンは不向きといえるかもしれませんね。
立ち上がり部分がない「フラットキッチン」。モデルハウスなどで採用されていることも多く、「かっこいいキッチン」の代名詞にもなっています。
ただフラットキッチンについても、デメリットを認識されたうえで選択されることをおすすめします。
フラットキッチンは、良くも悪くも「丸見え」です。モデルハウスやショールームのようにすっきり片付いたキッチンであればかっこ良さは保てるのですが、シンクに洗い物がたまっていたり、まな板が出しっぱなしであったりすれば、それもすべて丸見えになってしまいます。
またキッチンに置いておく洗剤やスポンジ、調味料などもすべて見えてしまいますので、言ってしまえば「かっこ良さ」を保つ努力をしなければならないんですね。
モデルハウスでも、かっこ良く見えるように洗剤ボトルを海外製のものにしてみたり、おしゃれボトルに調味料を入れてみたり……様々な工夫をしているものです。
たしかに、フラットキッチンは開放感があり、空間を広く見せることができます。ただ、わずか10cmほど立ち上げるだけでも「丸見え」感はかなりの程度、軽減されるものです。わずかな立ち上げであれば、そこまで空間が狭く見えることもありません。
こちらも人気の高い「アイランドキッチン」。右からも左からもキッチンに入れますので、導線はとてもよくなります。
ただアイランドキッチンは前にも横にも壁がありませんので、水や油が床に飛び散りやすいというデメリットがあります。
一方で、片方の側面が壁に付いている「ペニンシュラキッチン」は、人が通り抜けることはできませんが、壁に汚れが落ちやすいキッチンパネルを付けるのが一般的ですので、お手入れは楽になりますね。
また一方からしか入れませんので、小さいお子さんがいらっしゃったり、ペットがいたりするご家庭は、ベビーゲートなどで導線をふさぎやすいです。
キッチンはとくに、ご家庭によって使用頻度や使い方、求めることが大きく異なる部分です。だからこそ、バリエーションが豊富であり、立ち上げ幅なども細かく決められます。
一つ気を付けていただきたいのは「かっこ良さ」だけで選ばないこと。見た目ももちろん大事ですが「実際に使う」ことを想像して、キッチンを選ばれてみてください。