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犬や猫。ペットと暮らす家をお考えの方へ
こんにちは。
倉敷・岡山で建築家とおしゃれなデザイナーズ注文住宅を建てている建房の小林(史)です。
私は決してペットの専門家というわけではありませんが、実家で猫4匹、我が家で3代目になる犬を飼っています。
これから家を建てられる方の中でも「新居でペットを飼いたい!」というお声は非常に多いです。
ただこれまでペットを飼ったことがないという方はとくに、今回お伝えする「ペットと暮らす家」を建てるにあたっての注意点を知っておいていただきたいと思います。
まず、新居で猫を飼いたいという方に多いのが、猫が歩ける梁や棚を作りたいというもの。
猫を飼うならやっぱり自由に動き回ってほしい!ということで皆さんお考えになるのですが、実は手が届かないところで猫が動き回ることで苦労することもあります。
それは、毛玉の処理。
猫は、いつでもどこでも毛玉を吐く生き物です。歩いていても遊んでいても、気づかない間にも、毛玉も吐きます。
手が届く範囲で吐いてくれれば掃除もできるのですが、たとえば梁の上で吐いてしまったとき。掃除がとてもしにくい……と想像できると思います。
あるいは、上から毛玉が落ちてくるなんてことももちろんあるでしょう。(毛玉って可愛いモノじゃないですよ💦)
ペットを飼われる予定がある方は、皆さん「壁紙」や「床材」にこだわります。
このようなことを考えられてのことですね。
ただ、結論からいってしまえば、ペットと暮らすにあたって万能な壁・床はないと思います。
壁に傷がつかないように木の「腰壁」を作ることを検討される方もいらっしゃいますが、木材ですので、壁自体を守ることはできても爪を研がれると木にささくれが生じてしまうものです。であれば、張り替える前提で強度のあるクロスをチョイスしたほうがコスト的にも、見た目的にも良いということも考えられます。
また建房では、床材に「無垢材」をご提案することが多いのですが、無垢の木は一般的な表面加工のフローリングと比較して爪傷がつきやすいものです。(樹種にもよりますが)
ただ、フローリングのほうが滑りやすい傾向にはあります。滑り止めコートの素材もありますが、それは「滑らない」のではなく「滑りにくい」だけであり、やはりコートは表面を加工しているものでありだんだんと効果が薄まっていくものです。
滑らない素材というと、タイルカーペットという選択肢もあります。吐いたりおトイレの失敗など粗相をした場合でも部分的に洗ったり貼り替えたり出来ます。ただし、抜け毛が絡んで掃除しにくいというデメリットもありますね。
私も長くこの業界に身を置いていますが「滑りにくい・傷つきにくい・掃除しやすい・コストがかからない・効果が持続する……といったペット向けの万能素材はこれだ!」というご提案は正直なところ、いまだにできません。
カーテン・ロールスクリーン・ブラインドといったウィンドウトリートメントについても「これならペットがいるご家庭でも安心!」というものはありません。
布地のカーテンであれば、猫ちゃんはカーテンを伝ってカーテンレールに飛び乗りますし、ひらひらと揺れるカーテンを噛んでしまうワンちゃんもいます。
ブラインドはブラインドで、猫パンチを食らわせて手を傷つけてしまうおそれのある猫ちゃんもいれば、ブラインドならば寄り付かない猫ちゃんもいるでしょう。
つまり、その子の性格次第で向き不向きの素材があるということですね。もちろんウィンドウトリートメントだけでなく、壁も床も同様です。
しかしながら、飼う前には性格が把握しにくいのが難点です。
素材だけではありません。新居にペットのトイレスペースや個室を設ける方もいらっしゃいますが、人間が指定した場所を好まない猫ちゃん、ワンちゃんも多いものです。
ここまでお伝えしましたように、すべてのペットにとって最適な造り・素材というものはありません。「新居が建ったらペットを飼いたい」と考えている方はとくに、ペットと暮らす「理想」だけでなく「現実」を知ることも大事だと思う次第です。