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親や祖父母からの住宅取得資金贈与の非課税枠が2023年末で終了?
こんにちは。
倉敷・岡山で建築家とおしゃれなデザイナーズ注文住宅を建てている建房の小林(史)です。
今回は、住宅を購入する方にとってありがたい親や祖父母からの資金援助のお話。一定以上の相続には贈与税が課せられますが、親や祖父母からの住宅取得資金の援助には非課税枠があります。
ただし、この非課税枠は2023年末をもって終了する見込みです。
(出典:国税庁)
住宅資金贈与の非課税枠とは、親や祖父母などの直系尊属から自宅の新築・購入・増改築の対価に充てるための費用を贈与された際に、贈与税が非課税となる限度額です。
たとえ親族間であっても、基本的には年間110万円の贈与を受けた場合、贈与された側に贈与税が課せられます。たとえば、1,000万円の贈与を受けた場合の税率は40%。控除額は125万円のため、350万円もの贈与税が課せられてしまうのです。
しかし、直系尊属からの住宅資金の贈与であれば、下記金額を上限に非課税となります。
(出典:国税庁)
省エネ等住宅とは、①断熱等性能等級4以上もしくは一次エネルギー消費量等級4以上②耐震等級2以上もしくは免震建築物③高齢者等配慮対策等級3以上のいずれかを満たしている住宅です。
直系尊属からの贈与税の非課税枠は、住宅資金の他に教育資金や結婚資金、子育て資金があり、上記のように適用用件が設けられています。
教育資金や結婚資金、子育て資金については、2023年度税制改正によって適用期限が延長し、それぞれ2026年度末、あるいは2025年度末まで適用されます。しかし、住宅資金の贈与税非課税枠については延長がありませんでした。
現行制度は、2023年12月21日まで。2023年度税制改正では「教育資金や結婚・子育て資金贈与の非課税枠についても廃止を含めて検討している」と述べられていることから、今後、住宅資金贈与の非課税枠の延長はないものと考えられます。
住宅資金贈与の非課税枠を利用する際に気を付けていただきたいのが、贈与を受けるタイミングです。
住宅が完成した後に贈与を受けたとしても「住宅資金に使っていない」とみなされ、非課税枠の対象外になってしまう可能性があります。実際に、弊社のお客さまから「家が建った後に親からお祝い金として数百万円もらったのだけどどうすればいい?」というご相談を受けたこともあります。
家を建てるときに、両親や祖父母に「援助してもらえる?」とは聞きにくいものですが、贈与税は高額になりうる税金であり、贈与を受けることによって住宅ローン審査に有利に働くこともあります。
親や祖父母からの資金援助は、非常にありがたいものです。贈与税がかからないタイミングで援助してもらえれば、そのありがたさも倍増するでしょう。
住宅資金贈与の非課税枠は、2023年末をもって終了する見込みです。資金援助の有無は、できる限り早めに確認しておきましょう。
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