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日本家屋の「妻入り」「平入り」とは?家を雨から守る屋根の話
「妻入り」や「平入り」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これはもともと日本家屋において使われている言葉で、雨水の処理方法にもかかわってくる言葉です。
この記事では、「妻入り」「平入り」という言葉からわかる、家を守る屋根の役割についてもご紹介します。
もともと日本家屋では、「切妻屋根」という2つの斜面からなる形状の屋根が主流でした。
切妻屋根は屋根の最も高い部分である「大棟」から、軒先にむかってまっすぐに傾斜がついているため、雨水が屋根にたまりにくいという特徴があります。また、同じ理由から雪が屋根にたまりにくいため、豪雪地帯にも適した屋根形状です。
この「切妻屋根」と家の入口である「玄関」の位置関係を表すのが「妻入り」「平入り」という言葉です。
入口が屋根の傾斜の下である軒先側にあるのが「平入り」です。その側面であり、屋根が八の字に見える面に入口があるのが「妻入り」と呼びます。
妻入りと平入りには歴史上何度もトレンドが入れ替わっています。
建物のどこに入口を作るかは、玄関先のアプローチや間取りにもよりますが、雨水の処理方法にもかかわってきます。
例えば、建物の軒先側に入口がある「平入り」の場合、雨水は屋根の傾斜を伝って入口側に落ちてきます。そのため、雨水を流すための雨樋を設置する必要があります。
しかし、豪雪地帯の場合は雨樋にたまった水が凍ってしまい、玄関の上でつららができてしまうことなどもあるので、注意しなくてはなりません。
豪雪地帯の場合は屋根にたまった雪が落ちてくることも考え、平入りではなく妻入りのほうが良いというような場合もあります。
妻入りの場合は玄関の上に雨が落ちてくることはありません。ただし、縦長い形状の家の場合妻側に入口を作ると、入口から建物の奥までが遠くなり、間取りや生活動線に支障が出ることもあるので注意が必要です。
現代の住宅では、単純な形の切妻屋根はなくなり、妻入りや平入りといったものは見かけなくなりました。ですが、雨から家を守る屋根の掛け方は今でも重要視されています。
デザインや間取りからだけではなく、家を雨から守るという観点からも屋根は大切なものです。昔の人の知恵や工夫を引き継ぎつつ、現代の生活に合わせた家づくりをしていくことが重要です。
注文住宅なら、屋根の形状や雨樋に関してもこだわって決めることができます。家づくりのことならぜひ住宅の専門家に相談してみてくださいね。
建房では、お施主様の要望を盛り込んだ家づくりができるよう、話し合いをしながら進めております。
また、困ったことや疑問などがございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください!
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