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耐震等級って何?「熊本地震」の事例を解説
こんにちは。
倉敷・岡山で建築家とおしゃれなデザイナーズ注文住宅を建てている建房の小林(史)です。
今回は「耐震等級」についてお話していきます。
地震が多い我が国。近年は、中規模~大規模な地震が多発しています。弊社のお客様でも、住まいの「耐震性」について気にされる方は非常に多くいらっしゃいます。
耐震等級とは、地震に対してどれほどの建物の強度があるかを表す指標です。耐震等級は「1」から「3」まで。「3」が最も強く「建築基準法の1.5倍の建物強度」となっています。
「建築基準法レベル」とは、次のような建物強度を指します。
これだけ見ると「あれ、建築基準法レベルでもけっこう安心・・・?」と思った方もいらっしゃるのでしゃないでしょうか?
ただ、建築基準法が制定された当時は、中規模の地震は数十年に1度程度、大規模の地震は数百年に1度程度しか発生しないものと考えられていました。
現代のように、建物の一生で建物が損傷、もしくは倒壊・崩壊するレベルの地震が複数回来ることは想定されていないのです。
平成の時代だけでも、震度6・7の地震は12回以上起きています。
その中でも、平成28年の熊本地震は同じ場所で震度7が2回連続して起こりました。1回目の地震の2日後に、よりマグニチュードが大きい2度目の地震。その後も熊本から大分にかけて地震活動が活発となり、3ヶ月間で震度6強が2回、震度6弱が3回、震度5強が4回、震度5弱が8回も観測されています。
熊本地震の物的被害は、全壊が約8,300棟。住家被害は約16万棟にものぼりました。
熊本地震で倒壊した家屋は「旧耐震基準」が中心でしたが、耐震等級1の建物でも複数棟に大破や倒壊が見られました。
また熊本地震で改めて注目されたのが「壁量計算」の盲点です。建築物の安全性を確認するためには、構造物の荷重に対してどのような力が発生し、どのように変形するのかを計算します。これを「構造計算」といいますが、一般的な規模の木造住宅においては、より簡易な「壁量計算」が認められています。
熊本地震で問題になったのは、壁量計算によって算出された壁量では不足してしまう傾向があるということ。つまりは、壁量計算によって算出された壁量では、場合によっては表示されている耐震等級が発揮でない恐れがあるのです。
壁量計算や構造計算の話は、次回のブログで詳しく解説いたします。
建房は、安心、安全で、心地よい家を実現する高性能の家をご提供しております。住宅性能のことで疑問・質問がありましたら、お気軽にご相談ください。
次回のブログでは「壁量計算」「構造計算」のお話をしていきますので、どうぞお楽しみに!
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