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バスケットコートのある家!土地~完成をリアルに紹介vol.8(着工~完成)
こんにちは。
倉敷・岡山で、建築家とおしゃれでカッコイイ注文住宅(デザイナー住宅)を建てている建房の大森です。
今回も、前回に引き続き、凄く細長い敷地にバスケットコートのある家を建てられたK様が、土地探しから夢を叶えるまでをできるだけリアルにご紹介させていただきます。
前回までのブログで、ここまでをご紹介してまいりました。
今回は、着工~完成までの模様をレポートしていきます!
「家にバスケットコートを造ることが夢です」とおっしゃるK様。
東西に長い土地をご紹介し、平面図・立面図・建築模型を使ってプランをご提案させていただいて着工!……というところで、前回は地鎮祭や上棟式などのセレモニーを中心にお伝えしました。
今回は、家が建っていくまでの様子を細かくレポートしていきます。たくさんのお写真を掲載させていただいていますが、こちらはすべてK様に「施工監査記録簿」とともにお渡したものです。
弊社では「この部材は〇cmで〇cmごとに配して……」というかなり細かいところまで写真とともに記録に残し、完成後に施主様にお渡しをしています。
まずは、家の基礎基礎作りからですね。
「鉄筋」をコンクリートの中に張り巡らせて強度を高めますが、ご自宅の基礎の鉄筋の直径はどれくらいなのか、何センチずつ配しているのかご存じない方も多いと思います。
家を建てている間もなかなか毎日見学に来ることもできないでしょうから、弊社では隠れてしまう前にしっかり写真と記録に残しています。
こちら黄緑の器具は「水平器」です。中の泡のようなものを見て水平を測るものですね。基礎部分が水平ではなかったら家が傾いてしまいますから、まずは基礎の段階で水平を確認します。
二本ずつある線の真ん中に空気の泡が来ると、水平だということが確認できます。
「屋根」といえば「瓦」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。最近では「ガルバリウム鋼板」という素材が一般的なのですが、わかりやすく「瓦」で「かぶり」の説明をさせてください。
「屋根瓦の目的は?」と聞くと、皆さん「雨風を防ぐため」とお答えになる方が多いと思います。しかし実は、瓦自体が雨水の侵入を防いでいるわけではなく、瓦の下に張る「ルーフィング」というシート状のものが防水効果を持っているのです。
ルーフィング1枚で屋根全体を覆えればいいのですが、屋根は立体的なものであり広さもありますから、複数のルーフィングをシートを張り合わせて施工します。
このときの「かぶり」幅。要は、シートとシートが重なっている部分を測っているのが上の写真です。かぶりが少ないと隙間から雨水が侵入してしまうリスクがあがりますから「ちゃんとかぶせていますよ」ということでお写真を撮らせていただいているわけですね。
この後、屋根材を乗せたら見えなくなってしまう部分ですが、非常に大事な部分です。
続いては「上棟」してからの施工です。上棟とは、柱や梁といった基本的な構造ができあがり、屋根が取り付けられる工程です。
またまた出てきました、水平器。ただこちらは「水平」ではなく「垂直」を見ているところです。
柱が垂直でなければ水平も保てないですからね。
弊社では、屋根は吹き付けの断熱材を使っていて、壁はパネルの断熱材を使用しています。
弊社では、壁断熱材に最高水準の「ネオマフォーム」を使っています。
断熱材の性能を見るときの指標もありますが、実際のところは断熱材の良さって住んだ後に感じるものなんですよね。実際に住んでみて「あったかいな」「保温効果も高いな」と。ですから家を建てているときに断熱材を選ぶのは、とても難しいことだと思います。
しかし住んでから「思いのほか寒かった」「もっといい断熱材にしておけば良かったな……」と思うことが無いように、ハウスメーカー・工務店が使う断熱材については確認されておくといいでしょう。
また施工方法によっては、断熱材の性能を損なってしまうこともあります。上の写真で、梁に白いフワフワしたものがついているのがお分かりいただけるでしょうか?
こちら「発泡ウレタン」という断熱材なのですが、なぜこんな一部分にだけ使っているのかというと外からの冷気を家の中に入れないためなんです。
発泡ウレタンを吹き付けているのは、外と中をつなげる部材が通っている部分。つまり外が寒ければここから冷気が入ってきてしまうわけですから、発泡ウレタンでそれをシャットアウトしているわけです。
業界用語では「断熱境界」といわれる部分ですが、ここまで細かく断熱材を施工しているところは少ないと思います。
この銀色のフィルムは「透湿防水シート」というものです。湿度は透して水は防ぐ。なんだか矛盾しているようですが、雨水は侵入させずに湿気は逃がせるという優れものです。
屋根と同様に、壁材ではなくこのシートが水の侵入を防ぎます。ですから弊社では、ルーフィングと同様に透湿防水シートの「かぶり幅」も計測します。
どの建築会社もほぼ100%透湿防水シートを使っていると思いますが、高いシェアを占めるのは「タイベック」社製のもの。弊社もタイベックの透湿防水シートを使っているのですが、タイベックの中でも「タイベックシルバー」を主に使っています。シルバーを使う会社は、おそらくレア。それは、高性能であるがゆえにややお値段が高いからですね。
(出典:タイベック)
特筆すべきは「遮熱性」です。赤外線の85%を反射することで、夏は屋外から制外線を反射して室内を涼しく、冬は屋外への熱の放射を抑えて室内を暖かく保ちます。
遮熱性のほかにも耐久性・透湿性・防水性・防水耐久性・強靭性という全6つの性能が優れていることで、快適さが長持ちするのが特徴です。
ただ1点、デメリットが一つありまして。それは、電波がやや悪くなるということです。
(出典:タイベック)
タイベックシルバーは、繊維の一本一本にまでアルミニウムを蒸着させています。アルミニウムはやはり金属ですから、携帯電話等の電波も反射されてしまうことが起こりえるんですね。
ただ、お住まいのWi-Fi環境を整えておけば問題ないことが多いです。とはいえ電波はお住まいの方向や窓によってもマチマチですので、もし電波が弱いということがあれば携帯のキャリアに連絡すれば増幅器を貸し出してもらえます。そういったもので対応される方もいらっしゃいますね。
どのような部材でもそうですが、メリットばかりを見るのではなくデメリットもしっかり認識することが大切だと思います。もちろん弊社では、こちらから部材を指定することはありません。気になることがあれば、なんでもお気軽にご相談ください。
こちらの写真は、「スリーブ」といわれる壁の開口部分ですね。こちらにも防水処理をしています。
細かい話で恐縮なのですが、弊社では専用の部材を使って開口部の防水処理をしています。「余った部材で」「近い素材で」間に合わせるところも多い中、このような「ぬかりなさ」は工務店界隈ではトップクラスなのではないでしょうか^^
だんだんK様邸も完成に近づいてきました。こちらは「ボード施工」の様子です。
お住まいの中の壁ですね。ボードを貼ることで耐火性を高めます。
またまた細かい話ですが、上の写真は「ビス止め」の間隔を測っているところです。「ビス」というのは、ねじのような釘のような部材ですね。縦横、細かく指定された通りの間隔でビス止めされているかというところを見ています。
家づくりは大工さんに進めていただくのですが、大工さんも人間ですからお一人お一人性格が違います。中には、「見えなくなるからちょっとくらい間隔ズレててもいいだろう」と考える方もいらっしゃるわけですね。
弊社は、施工する人によって差が出てはいけないと考えていますので、こんな細かいところもしっかり写真に収めるようにしています。
こちらは、中側ではなく外の壁ですね。こちらの記事でも少し触れましたが、K様邸の外壁は東西の面が塗り壁・南北の面が吹き付けの塗装です。
▼東西の塗り壁
▼南北の吹き付け
外壁の色味は、パープルがかった茶色……感じでしょうか。このような絶妙な色合いが出せるのも、吹き付けのいいところですね。
こちらは、外部コンセント。黒・シルバー・白からお選びいただけます。
照明がついて、各部屋の水平もチェック。間もなく完成です^^
次回は、ついにK様邸完成後の模様をレポート!お楽しみに!!
正直なところ……ここまで細かくデータや写真を残している工務店・ハウスメーカーは稀だと思います。
「しっかり施工している」という証拠は、一種の資産価値。将来、もしお住まいをご売却されるときには、第二取得者の方へのアピールポイントにもなるでしょう。
後々見えなくなくなってしまう場所だからこそ、私たち建房は記録を残し、しっかり確認いただいて、ご納得・ご安心いただきたいと考えています。
【ブログ筆者】
株式会社 建房 代表取締役 Total Home Planner
1978年東京都生まれ、津山市育ち、倉敷市在住。2012年株式会社 建房を設立。
私が過去に書いた『岡山県南 A様:意思決定からプランプレゼンまでを大公開!』も下記のタイトルから飛べますので是非ご覧ください!
岡山県南 A様:意思決定からプランプレゼンまでを大公開!vol.1
岡山県南 A様:意思決定からプランプレゼンまでを大公開!vol.2
岡山県南 A様:意思決定からプランプレゼンまでを大公開!vol.3
建房の家づくりの真髄が垣間見える『何故、建房の家はカッコイイのか!?感動するのか!?ディテール特集!!』もぜひ参考にしてみてください!「vol.1」からお読みいただくとよりご理解いただけると思います(^^)/